症例紹介
◆遠視の50代男性(会社員)
【主訴】目の奥の痛み・頭痛・近くが見づらい
【背景】仕事で1日中パソコン作業
パソコン用メガネ使用
普段は裸眼
診 断
調節麻痺剤を使用した検査で、+1.00程度の遠視と軽い乱視が出た。
持参されたパソコン用メガネでは遠視の度数が足りないため、眼精疲労が悪化した。
治 療
裸眼視力1.5だが、遠視と乱視があるので普段から遠視用メガネを使用すること。パソコン用メガネも、本来の遠視の分が入っていないため弱く、疲れの原因になっている。
調節麻痺剤を使用した検査で本来の遠視を抽出し、アイクリークの眼精疲労コースで疲れを緩和した状態で、適切な遠用メガネ・パソコン用メガネを処方。
Dr.所見
若い頃から目が良い人の多くは、遠視が隠れていることがあります。
若い頃は調節力が強いので、自分の調節力でピントを合わせていたのが、年齢と共に調節力が低下してくると、隠し込んでいた遠視や乱視が出てきて、遠くも近くも見づらくなり、眼精疲労になります。
遠視はある程度調節力で抑えられてしまうので、調節麻痺剤で調節力をとって視力検査を行い、本来の遠視や乱視の度数を検出することで、本当の適切なメガネやコンタクトを処方することができます。
◆不同視の40代女性(会社員)
※不同視…左右の屈折度数が2D(ジオプトリー)以上違う眼
【主訴】目の疲れ・目の痛み・頭痛・肩こり・吐き気
【背景】パソコン作業多い
メガネは持っているが疲れるので、
普段もパソコン時も裸眼
診 断
片眼が軽い近視、片眼が遠視の不同視による眼精疲労
治 療
近くは近視眼で、遠くは遠視眼で見ているが、もう片方の目に常に負担がかかり疲れる。
不同視なので、コンタクトレンズで左右のバランスをとり、その上からクリークグラス+1.00を使用することを勧める。
Dr.所見
不同視を眼鏡で矯正すると、左右の像の大きさに差が出てしまうので、疲れの原因になります。この場合、コンタクトレンズでの矯正が適しています。
コンタクトで左右のバランスをとり、度数調整したパソコン用メガネを使用してください。
◆調節障害の30代男性(会社員)
【主訴】目の疲れ・頭痛
【背景】仕事で1日中パソコン作業
メガネは持っているが、
疲れるのでほとんど使用していない
診 断
調節微動検査でグラフがフラットなことから、目の酷使による調節障害と診断
治 療
調節麻痺剤を処方し、2週間後再検査。
調節微動のグラフは右上がりの調節緊張まで改善し、自覚的にも目の疲れが緩和された。
適切な遠用メガネとパソコン用メガネを処方。
Dr.所見
遠くが良く見える状態で、長時間近見作業を行うと、ピントを合わせる時に働く毛様体筋に負担がかかりすぎて、毛様体筋が正常に機能しなくなります。
このような状態が調節障害です。
就寝前に調節麻痺剤を点眼し、睡眠中に強制的に毛様体筋を休めることで、眼精疲労が改善します。
◆過矯正の30代男性(システムエンジニア)
【主訴】目の痛み・頭痛・めまい・吐き気
【背景】1日10時間以上パソコン作業
めまいで内科を受診したが、原因がわからず眼科受診を
勧められ、何件か眼科を受診したが症状の改善がなく、
当院の眼精疲労専門外来受診
診 断
調節微動検査でグラフがフラットな調節衰弱状態。
実際の視力より5段階くらい強い過矯正のコンタクトレンズで長年パソコン作業をしていたため、視力が不安定で遠くも近くも見づらく、十分な遠方視力が出ない。
頭痛やめまいがひどく、調節障害と自律神経失調症と診断。
治 療
弱めのコンタクトをしばらく使用し、調節麻痺剤点眼とアイクリークの眼精疲労コースを集中的に続け、視力が安定したところでコンタクト・メガネを処方。
本人も、アイクリークの眼精疲労セミナーを受講し、セルフケアを行う。
遠方視力および頭痛とめまいが改善。
Dr.所見
強すぎるメガネやコンタクトを使っている方は大変多く、眼精疲労で受診される方の多くが、過矯正の状態で長時間パソコンやスマートフォンをしています。
20代のうちは自覚症状がなくても、30代になって急に眼精疲労を自覚して眼精疲労専門外来を受診される若い方ほど、毛様体筋に過剰な負担がかかって全身症状までも引き起こす、重篤な眼精疲労なっています。
毛様体筋は自律神経の支配領域なので、毛様体筋の過剰な負担は自律神経のバランスを崩し、頭痛・めまいや吐き気などの全身症状を引き起こし、放置すると鬱状態にまで至ることがあります。
パソコンやスマートフォンなど、近くを長時間見ていて疲れ目を自覚している方は、身体に異常が起きる前に、ぜひ眼科を受診してください。
◆自律神経失調症の40代女性(主婦)
【主訴】近くが見えない
近くから遠くにピントが合いづらい
【背景】専業主婦でパソコン作業など近見作業も
特に多くない
診 断
調節微動検査でフラットな調節衰弱状態
矯正視力が十分出ないが、眼病所見なし
自律神経失調症による調節障害と診断。
治 療
調節麻痺剤点眼とアイクリークの眼精疲労コースを週1回続け、半年後には遠方視力・近方視力ともに改善。
Dr.所見
眼精疲労が自律神経のバランスを崩すように、自律神経失調症が原因で、見え方に異常が出ることもあります。
とくに40代女性は、更年期障害の影響で自律神経が乱れることで、重篤な眼精疲労になりやすく、アイクリークの眼精疲労コースの1番多い利用者は40代50代の女性です。